first love~世界で一番素敵な初恋~


「変なこと言わないでください!
い、一般人だからって簡単に落とせるとでも思ってるなら大間違いですよ!
私はそんな軽い女じゃないんです。」


そんな甘いマスクで甘い言葉を言われたって落ちないんだから。


「それに、私があなたを好きになるなんて絶対に有り得ないですから!」


「宣戦布告か……まぁ、いい。
でも一つだけ教えといてやる。
俺は一度やると決めたらやる男だからな。
覚悟しておけよ?」


宣戦布告のつもりなんてなかったけど、どう捉えてもらっても構わない。


絶対に好きになったりしないんだから。


「なぁ、一つ聞いてもいいか?」


「はい。何ですか?」


「お前はさ、玉の輿に乗りたいとか思ったことがないのか?
普通、こんだけ条件が揃ってる男に婚約者になれって言われたら喜ぶもんじゃねぇのか?」


条件が揃ってる男って、それ自分で言う?


敢えて言葉には出さず、心の中で突っ込む。


「誰のことを言ってるのかが分からないですけど、少なくとも私は玉の輿っていうのに興味がないんです。」


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