first love~世界で一番素敵な初恋~
「興味がない?」
「私はお金持ちにならなくても今の生活に満足してるので玉の輿に乗りたいとか思ったこともないですし、考えたことありません。」
確かにお父さんは居ないし、小さい個人事務所で弁護士として働いているお母さんの収入はそんなに高くはない。
でも、自分のことを不幸だなんて思ったことはないし、寧ろ好きなことをさせてくれてるお母さんには感謝してる。
「私は、お母さんと2人で生活が出来て、学校に行けて、テニス部の皆とテニスをしてる今が幸せだから。」
私の言葉を真剣に聞いてくれる西園寺さん。
「お金がなくたって、貧乏だって幸せにはなれる方法はいっぱいあるんですよ。」
それは、私が経験してきて一番分かること。
お金なんかなくったって私は笑顔で生きてこれたし、幸せだということに変わりはなかった。
「だからきっと、俺はお前のことを………」
彼は私に聞こえないくらい小さな声で何かを呟いた。