first love~世界で一番素敵な初恋~
この人は腹立たせるような言葉しか言えないのか。と思ってしまう。
車を下りると私は西園寺さんの後ろを歩いて屋敷の中に入った。
玄関と思われる空間にはシャンデリアがあり、壁には高そうな美術品が飾られていた。
さすが、西園寺財閥の御曹司が住む家……
家の広さは想像以上だった。
「お帰りなさいませ、龍我様。」
目の前にはメイド服を来た女の子達がずらりと並んでいる。
「唯那の部屋の準備は出来ているな?」
「はい、既に準備は整っております。」
西園寺のその言葉にメイドの中で一番偉い感じの方が頭を下げながら答える。
「なら、唯那を部屋に案内しろ、俺は自分の部屋に戻る。」
そう言うと、私を置いて屋敷の中へと消えていき、その様子をメイド全員が頭を下げ西園寺さんを見送る。
「では、唯那様こちらへどうぞ。」
私は一人のメイドに連れられて屋敷の中を歩く。