first love~世界で一番素敵な初恋~


廊下はとにかく長く広く、窓からは中庭まで見える。


まるでどこかの高級ホテルに泊まりに来たような感覚。


まぁ、泊まりで帰られるのならまだ気は楽だが、私は今日からここに住まないといけない。
それを考えるだけで気分が悪かった。


「こちらが唯那様のお部屋でございます。」


そう言われて部屋に案内されると、そこには高級な家具が揃っていてベッドはいわゆるお姫様ベッド。


私は今日からこのベッドで寝るの??


「ここが、私の部屋?」


「はい、龍我様が用意された唯那様のお部屋でございます。」


西園寺に用意されたこの部屋はお嬢様みたいな感じで白を基調とした家具の一つ一つがとても可愛らしかった。


私が住んでた部屋とは正反対………


「夕食の時間になりましたらお呼び致しますので、それまではこちらでゆっくりお休みください。」


そう言うと、メイドは一礼すると部屋から出て行った。


「それにしても広いな……」


ここって、一人部屋なんだよね?


この部屋の大きさは、私の家の全ての部屋を合わせたとしても勝てないと思う。


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