first love~世界で一番素敵な初恋~
だって、まさか西園寺さんが呼びに来るなんて思ってなかったからつい…………
「まぁ、でも可愛い寝顔が見れたから得した気分だ。」
西園寺さんはいたずらっ子みたいな不適な笑みを浮かべる。
「ちょ、わ、わ、私の寝顔、勝手に見たんですか?」
「勝手にって、そりゃ寝てる奴を起こしたんだから見るに決まってるだろ?」
当たり前なのは分かるけど、寝顔を見られるのは恥ずかしい。
思わず顔を赤くしてしまう。
「だからって寝顔を見るなんて最低です。」
寝顔なんて無防備な姿、人に見られたくなかったのに。
「………本当に可愛いよな、そうゆうとこ。」
「え?」
「いや、何でもねぇよ。
…………それより学校のことだが、明日からは鵬龍学園に通ってもらう。」
「え?何で鵬龍学園なんですか?
私はここで暮らすだけで、学校は白樺学園に通えるんじゃないんですか?」
「唯那は俺の婚約者だ。
一緒の学校に通うのは当たり前だろう。」
いやいやいや、何でそういう考えになるの?
しかも婚約者だなんて認めてないし!
「無茶苦茶すぎです!
それに、そんな簡単に転校出来るわけないですよ!」
「それについては問題ない。
転校の手続きは既に執事の神谷が済ませてくれてるから明日からは通えるようになってる。」