first love~世界で一番素敵な初恋~
メイドさんは部屋に入るとすぐに頭を下げる。
私は人に頭を下げられるような偉い人間じゃないからそんなことをされると困るんだけど……
「……おはようございます。
実は、目覚まし時計をセットしていて……」
部屋に最初から置いてあった目覚まし時計。
携帯も何もないからどうしようって思ってたけど、備え付けの可愛いのがあったから使わせてもらった。
「そうでしたか。
でも、これからは私が起こしますので目覚まし時計をセットしなくても大丈夫ですよ。」
いやいやそんなことを言われても……
メイドさんには色々お世話になってるのに起きる時まで迷惑を掛けられない。
「こちら、鵬龍学園高等部の制服を用意させて頂きましたのでこちらへ置いておきます。」
そう言って見せられるのは見慣れない制服。
今日からはこれを着なければならないと思うと憂鬱になる。
「サイズは前の学校で使われていた物と同じサイズで注文しましたので大丈夫だとは思いますが、もし合わなければすぐにおっしゃってください。」