馬鹿者。コッチを見なさい!!








「誠に申し訳ございませんでした。」
















俺の前には深く、ふかぁーく頭を下げた田中がいた。










「……はぁー。いいよ、別に。」










田中が俺に反抗して叩いた机からオレンジジュースがこぼれたのは言うまでもない。












そしてそのオレンジジュースが俺のジーパンに掛かったのも。









「誠に申し訳ございませんでした。」











本日何度目かもわからない謝罪の言葉は
市役所から聞こえてくる5時のチャイムにかき消された。










「………帰ろっか……」












大河が言った言葉を合図に全員が帰り仕度を始めた。











「……学。」









「ん?どうした?」









「……あの…さ。よかった…ら…」

















どうしたんだ?







突然顔を紅くしてモジモジし出した田中がいた。









「その…いっ!…」







い?








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