馬鹿者。コッチを見なさい!!
「大丈夫。」
笑って誤魔化す。
「……なぁ、ちょっと卑怯かもしれなけど、お詫びとして受け取って?」
橋本はそう言うとポケットからネックレスを取り出した。
薄いピンクのハートのネックレス。
「……可愛い。どうしたの?」
聞くと、橋本は恥ずかしそうに
「焼きそば買った帰りに。気に入らなかったら捨ててもいい。どうせ安物だし。」
プイと不貞腐れたように顔をそらした。
ねぇ、橋本?
その行動は一般的には照れ隠しって言うんだよ。
「ありがとう。大事にするね?」
「……別に。今度金貯まったら本物買ってやる。」
橋本。
それはプロポーズですか?
なんだか可愛い。
笑いが止まらなくなってしまった。
そして、手のひらで橋本が買ってくれたネックレスを大切に握りしめた。