馬鹿者。コッチを見なさい!!
田中は呆れたように、でもめっちゃ嬉しそうに笑って言った。
「馬鹿者!!いつも好きだよ!今更過ぎるのは学でしょ?!返事遅いのよ!
アタイを待たせるなんていい度胸してるわね?!
言っとくけど!」
田中は顔を真っ赤にさせながら精一杯の意地を張って言った。
「アタイが学に惚れた責任、とって貰うわよ。」
こいつの性格はいつになったら戻るのか。
両想いになった今だって全然治ってない。
「……可愛くねーな。」
「可愛くない奴なんかを好きになった学も変よ。」
「……責任なんて一生とってやる。」
「?!」
「毎日顔合わせて、毎日手繋いで、毎日抱きしめて、毎日キスしてやる。
そのうちウエディングドレスだって俺の目の前で来てもらうから。」
「……っ!」
田中。
これ、プロポーズなんだけど。
気づくかな?
「楽しみだなー。ウエディングドレス♡」
「うっさい!黙れ!」
多分気がついてる。
そんなこと言っても照れ隠しなんでしょ?
「……こんなにウルトラスーパーキュートなアタイがウエディングドレスなんてきたら
可愛い過ぎて腰抜かすわよ。」
今の田中が出来る精一杯の意地っ張り。
「そう?」
「ふんっ!今の言葉、覚えときなさい。
絶対後悔するから。」
「後悔するかもな。誰にも見せなくないから誘拐しちゃう。」
「犯行予告はちゃんと出しなさいよ。」
「はいはい。」
可愛くない。素直じゃない。
でも、そんなんでも可愛く見えちゃう年頃です。