星の音 [2014]【短】
春にはまだ少し遠い、ある日の夕暮れ時。
「……雨?」
ぽつぽつと屋根を叩く音が聞こえ、何気なくドアの方を見た。
予報では雨だなんて言っていなかったはずだけど、とりあえず洗濯物を干していなくて良かったと安堵する。
読んでいた本にしおりを挿み、最近新しくしたばかりのプレートを店内に入れた。
チョークアートのプレートは、知人に頼んで作って貰った物。
もちろんオリジナルデザインで、カラフルなチョークでロゴのように可愛らしい文字の店名や本が描かれている。
何度見ても可愛いプレートは、お客様にも好評だった。
だけど…
「今日はもう閉めようかしら」
雨は次第に強まっているから、今日はもうこのプレートは役目を終えさせてもいいような気がする。
閉店時間までまだ30分程ある事に躊躇してドアの方に視線を遣ると、店先に白いファーコートを纏った人が立っていた。
視界に捕らえたのは後ろ姿だったけど、セミディアムヘアーだという事とちょうど空を仰いだ横顔から、間違いなく女性だろうと確信する。
この雨のせいで、雨宿りをしているのかもしれない。
「……雨?」
ぽつぽつと屋根を叩く音が聞こえ、何気なくドアの方を見た。
予報では雨だなんて言っていなかったはずだけど、とりあえず洗濯物を干していなくて良かったと安堵する。
読んでいた本にしおりを挿み、最近新しくしたばかりのプレートを店内に入れた。
チョークアートのプレートは、知人に頼んで作って貰った物。
もちろんオリジナルデザインで、カラフルなチョークでロゴのように可愛らしい文字の店名や本が描かれている。
何度見ても可愛いプレートは、お客様にも好評だった。
だけど…
「今日はもう閉めようかしら」
雨は次第に強まっているから、今日はもうこのプレートは役目を終えさせてもいいような気がする。
閉店時間までまだ30分程ある事に躊躇してドアの方に視線を遣ると、店先に白いファーコートを纏った人が立っていた。
視界に捕らえたのは後ろ姿だったけど、セミディアムヘアーだという事とちょうど空を仰いだ横顔から、間違いなく女性だろうと確信する。
この雨のせいで、雨宿りをしているのかもしれない。