星の音 [2014]【短】
「付き合って2年が過ぎた頃くらいから、些細な事で喧嘩してばかりで……。一時は結婚の話も出ていたんですけど、この3ヶ月は喧嘩が絶えなくて何だか付き合っていく自信がなくなっちゃって……」
「じゃあ、もう彼に対する愛情がなくなってしまったんですか?」
俯いた女性に問い掛けると、彼女は程なくしてゆっくりと顔を上げた。
それからすぐに真剣な顔を見せた女性が、首を小さく横に振る。
「いいえ。……でも、嫌いになれたら良かったのかも」
ぽつりと呟かれた言葉には、彼女の想いが溢れているような気がした。
「だったら、大丈夫ですよ」
だから、ニッコリと笑って、きっぱりと言い放った。
「え?」
「ちょっと待ってて下さいね」
小首を傾げた女性に笑みを向け、ドア付近の本棚に入れてあるはずの本を探す。
すぐに見付けたそれを手に、彼女のところへ戻った。
「もし少し時間があるのなら、これを読んでみて下さい」
「【君との瞬間(トキ)】……?」
「詩集なので、10分もあれば読めますよ」
本のタイトルを読み上げた女性に告げると、彼女は表紙をゆっくりと捲った。
「じゃあ、もう彼に対する愛情がなくなってしまったんですか?」
俯いた女性に問い掛けると、彼女は程なくしてゆっくりと顔を上げた。
それからすぐに真剣な顔を見せた女性が、首を小さく横に振る。
「いいえ。……でも、嫌いになれたら良かったのかも」
ぽつりと呟かれた言葉には、彼女の想いが溢れているような気がした。
「だったら、大丈夫ですよ」
だから、ニッコリと笑って、きっぱりと言い放った。
「え?」
「ちょっと待ってて下さいね」
小首を傾げた女性に笑みを向け、ドア付近の本棚に入れてあるはずの本を探す。
すぐに見付けたそれを手に、彼女のところへ戻った。
「もし少し時間があるのなら、これを読んでみて下さい」
「【君との瞬間(トキ)】……?」
「詩集なので、10分もあれば読めますよ」
本のタイトルを読み上げた女性に告げると、彼女は表紙をゆっくりと捲った。