意地悪な君に
男はシャツを脱ぎ捨てた。
(ひっ・・・!)
コ・・コイツ・・・
親切なのかと安心させておいて、やっぱり危ないヤツだったんだ!
逃げなきゃ、逃げなきゃ危ない!
「な・・・なにする気ですか!?」
私はカーテンをバッと開け怒鳴った。
男は上半身裸で、こっちを振り向く。
「はぁ?」
私は男の横をすり抜け、扉の方へ走る。
逃げなきゃ!!
狭い部屋の中で思い切り走る。
扉を開こうと手を伸ばす。
---ガシッ
「まてまて。落ち着け」
また、いとも簡単に私の腕は男に捕まってしまった。
暴れる私にお構い無しに、男の強い力でズルズルと部屋の奥に戻される。
「イヤだーーー!!!やめてーーー!!」
私はパニックで話なんて聞けない状態。
涙でぐしょぐしょになった顔で、男に向かって叫ぶ。
「やめてよーーーーうぐっ」
怖くて涙が出る。
一度泣き始めると、どんどん涙が溢れてくる。
入学式に出られなかった事や、可愛くした髪や制服が台無しになった分も思い出して感情にプラスされてるみたい。
ひっく・・・・
うぅ・・・
ハァーーーーー。。。
男は大きく溜息をついて私を見た。
こんな状況なのに、私はその目に捕まり目が逸らせなくなってしまう。
「馬鹿。」
へっ?
「俺もびしょ濡れなんだ。着替えてるだけだろ馬鹿が。変な心配すんじゃねぇよ。こっちが迷惑だ」