意地悪な君に
そんなこんなで2回目も大して変わらない結果で撃沈し、そして今日、3回目の集会を迎えた。
あんな男に負けていられるか。
今日こそは、と意気込んでいた甲斐あって、我ながらなかなかスムーズな進行が出来たと思う。
きっと今日は、俺の事「見直したよ」って、言ってくれるはず。
久々の充実感と期待を胸に、生徒会室で美晴を待った。
でも……
いくら待っても美晴は来ない。
集会はもう30分も前に終わっている。
どうしたんだ?
何かあったのか…?
俺は美晴を探しに生徒会室を後にした。
集会の部屋を一番に覗いたが、やはり誰もいない。
嫌な予感がする。
最悪のパターンは…
俺の取り巻きの女の子達に呼び出されてたり、か?
それだけはあって欲しくない。
何のために必死で側にいたんだ、俺は。
激しく後悔と祈りが押し寄せる。
美晴の靴箱には靴が残っていから、まだ校内にはいるはずだ。
美晴は部活は入っていないから、いるとしたら、
………あとは教室か。
俺は1-Cの教室へ向かった。
誰も見ていないのをいい事に、全力で走る。
1-Cの前に着き、息を切らして扉に手をかけた瞬間、
…中から声が聞こえた。
「悠先輩とは大違い!柳君が生徒会長だったらよかったのにー!」
それは、間違うはずのない、美晴の声だった。