意地悪な君に
!!
そうだったーーーー!!
「とりあえず叫ぶのやめろ。俺が変態だと思われたらどうしてくれる。」
私は恥かしさのあまり、顔を上げられず、座らされたソファの上で丸くなってしまった。
あぁ、もう。
穴があったら入りたい。
「うぅーーーーー」
「唸るな」
男は私が暴れなくなったのを確認して手を離すと、体をタオルで拭いて新しいシャツに着替えた。
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10分後。
やっと落ち着いた私は、ソファに男と向かいあって座る。
「さっきはスミマセンデシタ」
私は男に深々と頭を下げた。
経緯はともかく、誤解して暴れたのは私の過失。
制服を貸してくれたり、助けれくれたのも事実だし。
「まったくだ。この俺がこんなヤツ襲おうとしたなんて思われたら、俺の評価が下がる」
「なっ・・・!!」
コイツ・・・!!
性格サイアクなんじゃないのーーー!?
せっかく人が素直にあやまってるのに!
「謝ってるのに!そんな言い方ないじゃないですか!!」
「それが悪いと思ってるやつの態度か」
悔しいーーー。
何を言っても言い負かされる。
唇を噛んで、ジリジリと男を睨んだ。
男はフンッと鼻で笑うと「ちょっと待ってろ」と言うと、部屋の奥に消えた。
「?」
残された私はする事もなく、何気なく背伸びをして窓の外を見た。
あ・・・
入学式が終わったらしく、体育館からはゾロゾロと生徒が出てきている。
あぁ・・・
高校生になったら楽しい学生生活って夢見てたのに、初日からサボッてしまうなんて・・・
出だしから躓いてしまった事に、私はとんでもなく絶望した気分になり、
さっき一度は引っ込んだ涙が、またじんわりと溢れてきた。