意地悪な君に



大物の宿題を片付けるって言ってたから、自由研究か工作ってところかな。


何をするかは聞いていないけど、とりあえず鞄にハサミやカッター、のり、そのほか色々詰め込んで美晴の家へ向かった。





美晴の家に入るのは久しぶり。
前までは何度も行っているけど、入るのはあの雪の日以来。

僕は11時ぴったりにインターホンを押した。





ピンポーン…




誰が出るのか、ちょっと緊張する。


………


………




…あれ?
誰も出ない?



よし、もう1回。



ピンポーン…




でもやっぱり誰も出ない。

腕の時計は11時を差している。
時間を間違ってるわけじゃなさそう。


もしかして、電話で時間を聞き間違えたのかな?

僕も美晴もまだケータイは持っていないから連絡は取れない。


仕方がない。
一旦公園で時間でも潰してまた来てみようか、そう思って玄関に背中を向けた。




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