意地悪な君に




すると、門扉の裏側に小さなメモが貼ってあるのに気付いた。


「?」


不思議に思い近付いて見てみると、そこには拙い字でこう書かれていた。


「ゆーにぃへ
かぎは開いています。
ろうか左がわのドアを開けてリビングにどうぞ

美晴より」




なんだこれは。


留守にするから僕へメッセージを残したのだとすれば不用心過ぎる。

まさか、いくらうっかりな美晴でもそれは無いでしょ?




と、すると…


…。


だめだ。
何も思い付かない。



入って…みる?



このままここで何時までも迷ってたんじゃ、僕が不審者だ。

人様のお家に勝手に入るのは気が引けるけど、美晴は入れと言ってるし…





僕は静かに玄関のドアを開けた。






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