意地悪な君に
あの公園での一件以来、私は生徒会室へ行っていない。
“学園祭の準備で忙しくて”というのが、私のした言い訳。
忙しいのは本当だけど…ホントは違う。
あの時、私は舞い上がっていた。
好きだと言われたわけでもないのに、悠先輩も私の事を想ってくれてるんじゃないかって勝手に期待して。
それで大切な友達に嫉妬して、送ってくれた悠先輩を公園に置いて帰るなんて……
それだけでも十分最低。
でも、もっともっと最低な事は、
そんな勘違いな私の考えが、悠先輩に気付かれているかもしれないと思うと。
恥ずかしくて顔から火が出そうで。
とても普通に生徒会室になんて行けない。
本当は会いたくてたまらない。
話したい。
声が聞きたい。
自分から“行けない”っていったくせに、
“来い”
その一言を待ってる、卑怯な私。