意地悪な君に
学園祭 ~2日前~
≪学園祭≫ ~2日前~
朝なんて来なきゃいいのに――――
それでもやっぱり無情にも朝は来るし、私はいつも通り制服に着替えてる。
昨日から電源を切ったままのケータイは、一瞬どうするか悩んだけどそのままポケットに放り込んだ。
「さぼりたいなぁ……」
朝ごはんを食べながら呟く。
千紗は多分今日もいつもの公園で待ってる。
直後は自分の事で頭がいっぱいで考えられなかったけど、千紗は私が悠先輩を好きな事も、千紗と悠先輩の関係に気付いた事も知らない。
一晩中悩んで、悩んで悩んで……
冷静になった頭で、私はひとつだけ決めた事がある。
悠先輩の事は考えてもネガティブになるだけだったけど、私にはもうひとつ大切な事がある。
それは、もちろん千紗で。
たとえ千紗が悠先輩を好きで、悠先輩も千紗の方を見ていたとしても、
千紗との友情、これは譲れない。
だから私は、千紗に全てを打ち明ける事を決めた。
全て話して、出来れば千紗の気持ちも聞きたい。
傷付く事は覚悟の上。
でも、いっぱい傷付いても、お互い全てを話し合えたら…
今度こそ心から千紗を祝福出来る気がしたんだ。
だから私は、憂鬱を追い払うように立ち上がると、玄関に向かった。