意地悪な君に
「あの・・・その、ごめんなさい」
男は俯いたまま、首を横に振る。
「いや・・・俺、疑われるのには慣れてるから・・・」
物凄い罪悪感。
そうか。
きっと、この人は怖い見た目で誤解されやすいんだ。
大体、私失礼すぎじゃない?
さっきから勝手に勘違いして暴れたり、助けてくれようとしたのに疑って変態扱いしたり。
制服も、紅茶も、全部この人が本当は優しいんだって教えてくれてるじゃない。
「疑ってごめん。着替え貸してくれたり、紅茶とか、優しくしてくれたのに・・・」
すると、男は顔を上げて私を見た。
ドキン。
真っ直ぐ目を見つめられると、逸らせない。
目に吸い込まれそう・・・
「ホントに?」
「うん、本当。疑ってごめん」
「そっか」
男はニコッと爽やかに微笑んだ。
ドッキーーーン
反則。
その笑顔、反則!
ドキドキする、
自分の顔が赤くなるのがわかる。
これって・・・
これって・・・
もしかして・・・
こ・・・
「じゃあ、償えよ。プラス疑った分で、さっきまでの倍だから」
爽やかな笑顔から一転、男の笑顔はニヤリと怪しい顔に変わった。
前言撤回・・・!!!!