意地悪な君に
「私から話しても、いい?」
今更、前置きはいらない。
私は単刀直入に切り出した。
「ずっと黙っててごめんね。私、悠先輩の事が好きなの。」
殺風景な屋上で対峙する私と千紗。
千紗は私の言葉を予想していなかったようで、心底驚いた顔をした。
「え……千紗?」
私は、千紗が驚いた事が意外だった。
だって、千紗も私の気持ちに気付いてるから“話がある”って言ったんだと思ってたから。
「うそ…………美晴……そうなの!?」
「うん…千紗、気付いてると思ってた」
「わかんなかったよ!全然そんな素振り見せなかったし!」
へー、うわー、そっかぁ……と千紗は一人でブツブツ言っている。
あと、これだけはちゃんと言わなきゃいけない……
大切な千紗だから。
「でも、私は二人の事を応援するからね?」
私の最後の一言に、千紗は再び驚いた顔をした。