意地悪な君に



目を見開いて私を見る千紗。



「応援って?私を?」

「うん…」

「二人をって、私と…誰を?」



うわ。
言いたくない。

覚悟してたけど、ハッキリ言葉にするのはやっぱりキツイ。




…でも、言わなきゃ。



「…千紗と…悠先輩だよ」

「…」

「…」



重い沈黙。

千紗は下を向いてふるふると肩を震わせている。


顔が見えないからわからない。

怒りで震えているのか、笑っているのか、泣いているのか…………

暫くの沈黙の後、口を開いたのは千紗だった。




「……はぁ?ナニソレ!?」



やっと上げた顔は、今まで見たことないくらい怒った千紗だった。



「だから、私は千紗の事を……」

「だから!」


怒ってる、千紗。

やっぱり黙ってた方が良かったのかな?



でも……



「美晴は、そんな簡単に諦められるの?その程度の“好き”なわけ?」

「ちがうっ!!」



そんなわけない。
そんなわけないじゃない。


「違うよ。だって、千紗だからに決まってる!
私だって諦めたくない。でも千紗も大切なんだもん!!」





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