意地悪な君に



「………って!!
…………えっっっ!?

お兄ちゃん!?」


ハニカミながらコクリと頷く千紗はいつもより三割増しで可愛くて、とてもからかっているようには見えない。


「うそでしょ…」


信じられない。
千紗が、あの兄を???


「本当だよ。
ね?兄妹だから恥ずかしがったのもわかるでしょ?」


そして、あーやっと言えたー、っと千紗は清々しく笑った。


「なんで?なんで?
千紗だったらもっとイイ男いっぱいいるでしょ!」


私は家族だから大好きなお兄ちゃんだけど、あれが恋愛対象になるのはどうしても信じられない。

高校の頃は生徒会長も勤めたりして格好良かったからわかるけど、今じゃヘラヘラしてるホンワカにーちゃんだし。


「わかってないなー俊くんはイイ男だよ。」


照れもせずに千紗は言う。


だってー。
美人で性格も良くて完璧な千紗が、今まで何人もの告白を断り続けて選んだのが、あの兄…???



えええええ。




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