意地悪な君に




学校に到着すると、もうクラスの半分以上が準備を始めていた。



今日は授業もなく、1日中学園祭の最終準備に使える。

いつもは部活で抜けたり塾で抜けたりで全員が揃う事はなかったけど、今日は1―Cフルメンバーが揃っているから、それだけで皆のテンションも上がってるみたい。


すでに準備の完璧な私達は、お揃いのコスチュームを試着して、本番さながらのデモ接客。



『いらっしゃいませ!』

『ありがとうございました!』


「声が小さい!!もっと笑顔で!!!」


意外とスパルタな柳君指導の元、練習にも熱が入る。



キッチン担当はスコーンやクッキー、パウンドケーキ、前もって作っておける物を大量生産に入った。

当日作りながら売るのはたこ焼きとコーヒー、紅茶のみ。


基本の材料は小麦粉や卵など、かぶるものが多かったので材料費も驚くほど抑えられた。



準備は万端。

あとは他のクラスに負けない接客クオリティを目指すのみ。


売上は私達の物にはならないけど、売上上位クラスにはご褒美がある。

既に話題の店になりつつある1-Cは十分に上位を狙えると、最初の頃とは比べ物にならないくらい皆真剣そのものだった。





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