意地悪な君に
裏庭の出会い
佐伯美晴、15歳
今日から高校生!
期待に胸を膨らませ、駅までのんびり10分歩くと、仲良しの千紗との待ち合わせの公園が見えた。
私が到着すると、噴水の前にもう千紗はいた。
「ちさー、おはよ!」
手を降りながら千紗に走り寄った。
「おはよう美晴。制服、新鮮だねっ」
千紗はすっごくキレイ。つやつやロングに目もぱっちり。
制服も、似合ってる!
「千紗可愛いっ」
「美晴も可愛いっ」
千紗とは中1からの仲良しで、いつだってなんでも相談してきた。
初恋の相談も、テスト勉強も、お兄ちゃんとのケンカも。
春休みだって、私の高校デビューのプロデュースをしてくれたのは千紗。
キレイで優しくて、いつも真剣に話を聞いてくれる。
そんな千紗は私の憧れでもある。
千紗といれば楽しくて時間を忘れちゃう。
ふたりでおしゃべりをしながら電車に乗っていると、あっと言う間に学校に着いた。
ひらひらとさくらが舞う。
私達の門出を祝ってくれてるみたい。
千紗と合図して、
「せーのっ」
同時にジャンプして高校の敷地内に入った。