意地悪な君に



悠side:



俺の事を全く思い出さないコイツにむかついて、とりあえずいじめてやろうと思った。

一樹の事は格好イイとか言ってたくせに、俺には見向きもしなかったもんだから、尚更。



とりあえず、すぐに捕まるように弱みを握って近くに置いた。
アドレスも奪ったし、さて、これからどうしようか。






で、とりあえず朝呼び出したんだけど・・・



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朝早すぎて、生徒会室のソファでうとうとしていた。

何故だか昨夜はなかなか眠れなかったから。
なのに、朝は朝でやたらと早く目が醒めてしまったし。


別にわくわくなんかはしてない。断じて。




キィ



ドアの開く音で、意識が少しづつ覚醒する。



(来たのか。)



「せんぱーーーい」

「ん・・・」



目を開くと、美晴が俺を覗き込んでいる。


やばい。
可愛い。


大きく欠伸をして、もう一度美晴を見ると、
ちょっと顔を赤くしているように見えた。



やべ。
朝起こしてもらうシチュエーションて、なんかイイな。



「おはよ」


雰囲気に酔って、ついついそんな朝の挨拶とかしてみる。
すると美晴も、挨拶を返してくれた。


何か、昨日の口喧嘩がウソみたいだ。
昨日はついついムカついて苛めてしまったけど、もしかしたら仲良くやれるかもしれない。


美晴が俺の事を思い出さなくても、またイチから始められればそれでもいい。





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