意地悪な君に




雰囲気に酔ったついでに、ついつい彼氏気取りでおかしな事を口走ってしまった。




「オマエ・・・昨日、なんでメール返事しなかったんだよ」

「っていうか、先輩こそ、勝手にアドレス登録するなんて酷いですよ」



痛いトコを突くな。
すぐに怒るなよ。



「オマエに拒否権はない」

「はぁ!?しかもこんな早朝に呼び出すなんて、なに考えてんですか!?」




俺はもっと早く目ぇ醒めてんだよ。
お前もちょっとは俺に会いたいとか思えよ。



「うるせぇ。黙ってろ」

「そんな事言うんだったら、もう一切喋りませんよ」




何可愛くいじけてんだ。
喋らないとか言うなよ。



「屁理屈」

「じゃあもう私帰ります」









帰るな。







そこからは、良く覚えていない。

気付いたら、美晴が目を閉じて、俺の腕の中にいた。




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