意地悪な君に




重いがけず縮まった距離に、何も考えられなくなった。





ぐっと更に近づく。




すると、美晴が目を閉じた。


もう、キスしてやろうと思った。




美晴も、待ってるんだよな?

前髪と前髪が触れ合う距離まで近づくと、美晴が更にギュっと目に力を入れて閉じたのがわかった。









でも、そこから動けなかった。

あと2センチで、唇は触れ合うくらいに近い。

でも、頭の隅によぎってしまった。






美晴は受け入れようと目を閉じて待ってる。


でも、それは「俺を」待ってるのか?





俺と同じで美晴も雰囲気に酔ってるだけかもしれない。

だとしても悪いのは俺だ。美晴を責める事なんて出来ない。



でも、「俺を」受け入れてほしい。

勝手すぎて自分でも馬鹿みたいだ。



でも、他の誰かを受け入れる美晴の姿を想像してしまう。

酔うな。

俺を見ろよ。






俺だけを。






悠Side~end~




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