意地悪な君に




身体測定は憂鬱。


授業じゃないのは嬉しいけど、出来れば避けたいイベントNo1!!

背は低くないんだけど、体重が、ね。
スタイルのいい千紗とどうしても比べてしまう。


重い足取りでなんとか体育館に到着すると、中はつい立でいくつにも仕切られていた。

真ん中から後ろがクラス順に集合して待つスペース。
前半分をさらに細かく分けて男女別、体重、身長・・・と分けているみたい。




私達は、1年なので端っこ。

ザワザワとした体育館の中でキョロキョロ探すと、すぐに柳君を発見した。
私と柳君はクラス委員として、集合・整列・点呼しないといけない。

柳君も私に気付き近づいてくる。



「おーい。並んでくれーー」



誰ともなく、そこらにいる人達に声をかけると、みるみるうちに柳君の周りに人が集まる。



「さっそく仕事して張り切ってるなー」

「るせーー。並べ!」



野次なのか応援なのか色んな声を掛けられながら、あっと言う間に整列させてしまう。




また・・・私、役に立たなかった・・・



「柳君、人望あるんだねーー」



何気なく言った。



「えっ、ちょ・・・」



柳君は後ろを向いて顔を隠してしまったけど、ちょっと頬がピンクに見えたのは、私の気のせいかな・・・?




< 44 / 156 >

この作品をシェア

pagetop