意地悪な君に
悠先輩…
そこにいたのは、私といる時とは全く違った笑顔の悠先輩で。
思わず固まってしまった私に気付き、
「誰か見えた?」
柳君が聞いてくる。
「うん…生徒会長。」
私は平然を装おって、答えた。
でも私の声は震えていて、柳君の耳には届いていない。
「え?なんて?」
柳君が何か言ってるけど、私の目は悠先輩から離せなくて、答えられない。
周りを囲む女の子達に何か話し掛けられた先輩は、ひとりひとりに笑顔で答えている。
なにあれ…
私には意地悪ばっかり言うくせに。
あんな笑顔見せてくれないくせに。