意地悪な君に




もやもやする。

何でこんな気持ちになるの?





「せんぱいー好きなお菓子なんですか?」

「クッキーかな」



「兄弟はいますか?」

「妹がいるよ」





いちいちそんなの答えなくていいじゃん。

何でそんなくだらない質問に笑顔なの?






っていうか、キャラ違い過ぎるじゃん。




先輩は周りを囲む人垣ごとこっちに近づいてくる。

でも、先輩は女の子達と話していて、全然私には気付いていない。








あと数メートル・・・



キャーキャーうるさい。

取り巻きの女の子達の甲高い声が体育館に響く。






「だ・・じょ・ぶ?」



柳君が私の異変に気付き、声をかけてくれる。

でも、周りが煩くてよく聞こえない。




「え?なに?聞こえない・・・」



私は柳君の声が聞こえるように、少し近寄った。



と、同時に、



柳君も私に聞こえるように少し屈んでくれた。








それが、同時だった。






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