意地悪な君に
両側から距離を縮めた私達は近づきすぎた。
「!!!!!」
「!!!!!」
柳君の唇が、私に触れた。
幸い、それは私の頬。
「ごごごごめん!!!!」
「ううん!!わ・・私こそ、ごめんね!!」
私達はお互い、真っ赤になって謝りあった。
でも、それよりも、そう。ここは体育館。
「おまえらーーなんだよーーー」
「見たぞやなぎーーー」
クラスのみんなから一斉にからかわれる。
やだもー。
恥かしい。。。
何でこう毎日毎日ハプニングばっかり起こるかなぁ。
真っ赤になるだけで何も言えなくなる私に対して柳君は、
「見せもんじゃねーよー」
なんて、からかうみんなを茶化してその場を納めようとしている。
さすがだなぁ。
人望の厚さというか、いつでもすぐに周りに人のあつまる柳君はやっぱりすごいと思う。
なんていうか、「青春」って言葉がぴったり似合ってる感じ。
爽やかだし、背も高くてかっこいいし。
きっとモテるんだろうなぁ・・・
そんな事を思っていると、突然視界が何かにさえぎられた。
何かが目の前に来たけど近すぎて見えない。
「???」
一瞬の後、
私の目の前に人が立ったのだと気付いた。