意地悪な君に
「諦めるのか?」
諦めるつもりなんてない。
何年も待ったのに、たった2日で諦められるわけないし。
でも、じゃあどうすればいい?
それが俺にはわからない。
今しつこくしたら決定的に嫌われる気がするし。
あぁ。
優柔不断。
そんな俺の考えなんて、木下にはお見通しだったらしい。
小さくため息を吐くと諭すように言った。
「オマエが諦められるとか諦められないとかはどうでもいいよ。でも、オマエが離れたからって佐伯さんが女子のターゲットって事に変わりはないと思うよ」
………!!
木下の言葉は、俺のうだうだした気持ちを一瞬で消した。
そうだ。
嫌われようがどうしようが、俺にはアイツを守るって選択肢しかないじゃないか。
そう気付き顔を上げると、木下はあの優しい笑顔で、言った。
「早く、迎えに行ってこい!!」