意地悪な君に




全力で廊下を走る。


「廊下は走るな」


なんて明日からは言わないから、見逃してくれ。




息を切らしてアイツのいる教室へ向かう。

1年はもう殆ど帰ってしまったのか、どの教室にも人の気配はない。





――――。
頼む、まだいてくれ。




『1-C』と書かれた札の下がるドアに近付く。


息を整えながら、恐る恐る中の様子を伺うと――――






いた。




良かった。
まだ帰ってなかった。


もしかしたら、生徒会室にも来てくれるつもりでいた?
なんて都合の良いことを考えてしまう。




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