意地悪な君に




早く、ここから去らないと。

きっとすぐに帰ろうとするアイツに見つかってしまう。



でも、俺の足はまるで自分の足じゃなくなったみたいに、俺の意思に従わない。







----いや、違う。


心のどこかで、アイツに見付けて欲しいと願っている自分がいる。


嫌われていようが避けられようが、傍にいたいと願う自分がいる。






でも、俺の希望なんて関係ないんだ。
逃げる権利なんて俺にはないんだから。


これは自分の蒔いた種。




どのみち嫌われるんなら、せめて守り通すしなかいんだ。






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