意地悪な君に
生徒会室につくと、木下が待っていてくれた。
予想外に友達もついてきたから、正直木下がいてくれて助かった。
美晴はすっかり木下には懐いていて、会った瞬間に「木下先輩!」とか言って満面の笑み。
俺には一度もそんな笑顔見せてくれないくせに。
そして、木下に友達の紹介を始めた。
ふぅん。
橘さんっていうのね。
俺は紹介されてないんだけどね。
2人には見えないように俺の顔を見るとニヤリと笑った木下に、不安が芽生えた。
まさか、美晴に手ェ出したりしないだろうな・・・
予感は的中。
俺と橘さんが火花を散らしている間に、とっとと美晴をソファに連れて行きやがった。
しかも、内緒話とかして。
あれ、絶対俺に見せつけてるだろ。
近い!!
顔が近い!!
離れろーーー!!
木下は俺の念力に気付かないフリをして、美晴に顔を近づけて何か言うと頭をポンポンした。
「!!」
あれ!!
俺がやりたかったやつ!!
許せん。
木下・・・
「わざとだろ・・・」
そう言い残しし、奥の部屋に引き篭もってやった。
見たくねーよ。
俺以外の男に笑顔になったり、顔を赤くしたりする美晴なんて。