意地悪な君に



生徒会室につくと、木下が待っていてくれた。

予想外に友達もついてきたから、正直木下がいてくれて助かった。




美晴はすっかり木下には懐いていて、会った瞬間に「木下先輩!」とか言って満面の笑み。

俺には一度もそんな笑顔見せてくれないくせに。




そして、木下に友達の紹介を始めた。

ふぅん。

橘さんっていうのね。
俺は紹介されてないんだけどね。



2人には見えないように俺の顔を見るとニヤリと笑った木下に、不安が芽生えた。

まさか、美晴に手ェ出したりしないだろうな・・・






予感は的中。


俺と橘さんが火花を散らしている間に、とっとと美晴をソファに連れて行きやがった。



しかも、内緒話とかして。
あれ、絶対俺に見せつけてるだろ。



近い!!
顔が近い!!

離れろーーー!!




木下は俺の念力に気付かないフリをして、美晴に顔を近づけて何か言うと頭をポンポンした。




「!!」




あれ!!
俺がやりたかったやつ!!








許せん。
木下・・・





「わざとだろ・・・」


そう言い残しし、奥の部屋に引き篭もってやった。




見たくねーよ。

俺以外の男に笑顔になったり、顔を赤くしたりする美晴なんて。




< 66 / 156 >

この作品をシェア

pagetop