意地悪な君に
二人は知り合い?



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「暗くなってきたし、今日はそろそろ終わろうか」



木下先輩の言葉を合図に私達は片付けをはじめた。

千紗が来てくれたのと、木下先輩がいてくれたおかげで今日は楽しかった。



あれから悠先輩はあまり意地悪を言ってこなかったし。






きっちり鍵をかけ、4人で生徒会室を出る。







あれ…?
まさか……





「おまたせ」




と爽やかに笑う木下先輩。






あぁ、予想通り。。。

自然と流れで4人一緒に帰る感じになってしまった。






別にね、
イヤってわけじゃないんだけど……



悠先輩とは何かまだ気まずい。





体育館での一件もだけど、私は朝の一件もまだ引きずってたりするし。


千紗と悠先輩が2人で何を話してたのかも気になってて、千紗に聞きたかったのに。






門を出ると、前を木下先輩と悠先輩。

その後ろを千紗と私、の2列になって歩いた。




前の二人に聞こえないように、千紗に小声で聞く。



「さっき、悠先輩と奥の部屋で何を話してたの?」

「あーうん。ちょっと…ね。気になった事があって…」



千紗は前を歩く悠先輩を気にしてか、言いにくそうにしている。


何か私、まずい事聞いたかなぁ。

深く考えずに口にした質問は、すぐに後悔にかわった。



悠先輩がいるからいいにくいの?

それとも、私に言えない事なの?




そんな事をぐるぐると考えていると、前を歩く木下先輩が振り返り、信じられない言葉を発した。



「じゃあ僕はバスだからここで!」



そう言って、バス停で私達に手を振る。



「えぇーー!?」





嘘でしょ……

よりによって、一番気まずい3人が残ってしまった。





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