意地悪な君に
何とも微妙な空気。
今、この3人はありえない。
せめて悠先輩が空気を読んでくれればいいんだけど、もちろんそんなの読まない先輩は「行くぞ」と言う感じで私達の前を行く。
「……」
暗くなりはじめた坂道を、黙々と3人で歩く。
っていうか、悠先輩はなんでこんな空気なのに、一緒に帰るんだろう……
私だったらコンビニ寄るとか適当言って、別に帰るけどなぁ。
駅までの道がすごく長く感じる。
千紗とおしゃべりしながらだと、あっという間の道のりなのに。
しばらくして駅が見え始めた頃、突然千紗が信じられない事を言った。
「美晴、ごめんね。さっきお母さんからメールきて、買い物して帰るから駅で待ってるって…」
そう言われて顔を上げると、すでに駅は目の前にあった。