意地悪な君に
「お兄ちゃん!!」
悠先輩の目の前、曲がり角から突然現れたのは、大好きな6つ上のお兄ちゃんだった。
「美晴!」
「えっ、どうしたの!?帰ってきてるなんて知らなかった!!」
東京の大学に通うお兄ちゃんは一人暮らし。
こっちには夏休みとお正月しか帰ってこない。
「就職決まったし、授業もないから驚かそうと思って内緒で帰ってきたんだ」
わーい!!
久々の再開だぁ。
なんて、喜んでいると、
「お久しぶりです」
悠先輩がお兄ちゃんに挨拶した。
あ、そっか。
悠先輩はお兄ちゃんに会った事あるんだった。
「えっ悠~!?何で美晴と一緒なの!?まさかの急展開!?」
「違いますって!」
「なんだー違うのかぁー」
「それより就職決まったんスね、おめでとうございます。」
「おう!それより悠はどうだ?サッカーの方は!」
「調子いいですよ!」
お兄ちゃんと悠先輩は、私の存在なんて忘れたように盛り上がってる。
うん。
待って。
何?
仲良すぎない?
サッカー部のOBだって言うから、何度か会った事ある程度かと思ったら……
なんかすごい仲良しなんだけど。