意地悪な君に



目標が出来てからは、前よりもいっぱい練習した。

いつか、あんな人になるんだって思って一生懸命頑張った。




そして、去年の夏休み、俊くんと初めて会った。



コーチの知り合いということでサッカーの合宿に特別参加した俊くんは、僕達にサッカーを教えてくれた。


あんなに上手な人からしたら、小学生のサッカーなんて遊びみたいなんじゃないかって思ったのに、俊くんは全くそんな風には思っていないようで真剣にサッカーを楽しんでいるように見えた。



僕は、憧れの俊くんを初めて目の前にして、前よりもっともっと俊くんに憧れた。




だって僕は、学校でみんなとサッカーしている時、楽しんでいなかったんだ。



ちょっとみんなより上手いからって、下手なみんなを馬鹿にしていた。


でも、俊くんは違った。



どんな相手とでも、いつでも、サッカーを本気でやっている。




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