意地悪な君に
まず家が近くの子達は、コーチや付き添いで来ていた保護者の車に分かれて乗って帰る事になった。
小さい子から優先的に車に乗せていく。
僕はその頃はもう5年だったから、最後まで残った。
数人残った子達も、親が迎えに来て次々に帰って行く。
僕はそれを「気をつけてな」と笑顔で見送っていた。
そして最後には、コーチと俊くん、僕の3人だけが残った。
いつまでも降り止まない雪にどんどん不安が増し、取り残された寂しさがつのってゆく。
僕の親が迎えに来る事はない。
きっと今も、一生懸命仕事をしている。
僕は両親の仕事を尊敬しているし、迎えに来なくても愛されてないわけではない事も理解している。
でも、それでも……
寂しく感じてしまうのも僕の本心。