意地悪な君に
お揃いのコスチュームとか、テーブルクロス。
メニューだって可愛くクレープやワッフル、スコーン・・・
でも、たこ焼き屋じゃバリエーションもない。
カフェがダメなら、せめてお化け屋敷みたいなキャッキャ出来る系でも良かった。
なんでもいいからとにかく、いかにも“青春!”って事に、すごく憧れがあったんだもん。
「楽しみにしてたのになぁー」
すると、柳君が意外な事を言った。
「やればいいじゃん、可愛いたこ焼き屋さん」
???
どーゆう事?
「・・・?」
ぽかーんとして変な顔になってしまった私を見て柳君は笑顔で続ける。
「別にたこ焼きしか売っちゃダメなわけじゃないし、可愛いユニフォーム着てたこ焼き以外にカフェメニューもやれば出来るよ」
「!!!」
なんとゆー荒業!!
そんな事、思い付きもしなかった。
「でも、多数決で決めたのにズルくないかな?純粋にたこ焼き屋さんやりたかった人もいるだろうし……」
なんかちょっと卑怯な気がして及び腰になってしまう、気の弱い私。
でも、柳君は自身ありげに言う。
「それなら大丈夫じゃない?詳しい内容はこれから決めてくんだから、その度に意見を出せば。それにたこ焼き屋に手を挙げたやつは楽な物に流れただけだと思うよ?」
そう言えば、多数決の時にたこ焼きで手を挙げてたのは面倒がってた男子ばかりだった。
「女子はたこ焼き屋に挙げた子殆どいなかったでしょ?」
確かに。
女子はカフェとお化け屋敷に割れちゃったから負けたんだ。
「だから、メニューとか内容を決める時も多数決なら、女子を纏めれば勝てるかもよ。」
すごい!
すごいよ、柳君!!!
どうしてそんな作戦がホイホイ出てくるんだろう。
私の柳君に対する尊敬の眼差しは、益々強くなった。