意地悪な君に
柳君が味方なら、怖い物ナシだね。
・・・なんて考えていたら、意外にも柳君はいつもと違う顔を見せた。
「美晴ちゃんさ、俺がなんとかしてくれるって思ってるでしょ?」
図星。
私には女子を纏めてカフェを勝ち取るなんて荒業、出来るはずがない。
その点、柳君なら男女ともに発言力も抜群。
そんなに難しい事じゃないと思うのに・・・
「俺は今回は何もしないよ。もちろん副委員長の仕事はやるけど、カフェ計画にはノータッチ」
「えっ・・・そんなぁ・・・」
柳君じゃなきゃ、そんなの無理に決まってる。
私にはHRを纏めるちからもないんだよ?
なのに、そんな策略じみた事、出来るわけがない・・・
期待させておいてガッカリさせるなんて、酷いよ柳君。
柳君は泣きそうな私を見て、それでも笑顔を崩さない。
「そんな顔しないで。大丈夫、美晴ちゃんなら出来るよ。」
・・・。
そんなわけない。
何でも出来る柳君にはわからないよ・・・
すると、柳君は優しく言った。
「美晴ちゃん、俺、もっと美晴ちゃんに自信を持ってほしいんだ。俺が特別すごいわけじゃない、美晴ちゃんだってやれば出来る。それに気付いてほしい」
やれば出来る…?
確かに私は、いつも柳君がなんとかしてくれるからって何もしてこなかった。
そんな私でも、やれば出来るって事?
・・・・・。
柳君を信じて、やって・・・みる?
けど、なかなか迷いは吹っ切れない。
「ま、考えてみてよ。美晴ちゃんがやる気なら、俺はいくらでも手伝うからさ」
そして、私達は集会の行われる教室についてしまった。