意地悪な君に
無駄がなくてきぱきした進行で、どんどん集会は進む。
3年から順に、クラスで決まった出し物を発表していくと予想外な事が起こった。
それは、3年と2年の発表が終わった段階で、たこ焼き屋が4組も出た事。
ライバルが多いと売上にも影響がある。
たこ焼き屋なんて王道。
ライバルが多いのは容易に想像出来る事で、むしろ全く気付かなかった私の考えが浅い。
「困ったね……」
柳君に小さな声で言うと、意味深に笑い、
「大丈夫、好都合だよ。」
と言う。
やっぱり、柳君は気付いてたんだ。
たこ焼き屋だと、ライバルが多いこと。
でも、好都合ってなんで???
同じお店が多いと競争になっちゃうじゃん。
私の考えなんてお見通しという感じで、柳君は微笑む。
「大丈夫、後で教えてあげる」
そう言うと、柳君は予定通り
「1―C、たこ焼き屋」
と発表し、最終的には5店もたこ焼き屋が並ぶ事となった。