意地悪な君に
靴を履き替えに昇降口へ向かう。
もう校内には人が殆どいないのか、スゴイ静か。
「はぁーーー…」
大きく溜め息をつきながら靴を履き替える。
すると、後ろでジャリッと砂を踏む音と、
突然、声がした。
「なに溜め息ついてんだ、幸せ逃げるぞ」
バッと振り返る。
でも、振り向かなくたってわかってた。
「悠…先輩」
先輩は走って来たのか、息を切らしている。
どこに行ってたの?
どうして戻って来てくれたの…?
「おまえ…どうした…?」
「え……?」
言われて初めて気付く。
私の頬には涙が伝っていた。