【Vt.短編】私のカレは可愛いのです。


「フライング気味の『お返し』、命一杯期待して待ってますね。」

「……なんでそうハードル高くするかな……。」


緒方さんがたじろいだのも一瞬で、次には妙な闘志を燃やして宣言した。



「俺の底力ナメンナよ?今夜はこのチョコの数倍甘いから、覚悟しとけ。」



私に触れるだけのキスをして、次の階でエレベーターを飛び出して行った。

仕事の片付けにオフィスに戻るのでしょう。

ドアが閉まる前、階段を駆け上がって行く緒方さんが見えた。


……随分燃えてるんですネ。

一人きりのエレベーター。


緒方さんがあまりにも可愛いくて、

私はくすくすと笑い続けた。





< 5 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop