笑顔~ほろにがココアは大人の味~
素直にコーヒーを頂く。
桐生先生は何やら仕事をしながらも、わたしに話しかけてくれる。
会話が途切れ、一瞬の沈黙が流れたあと、桐生先生は嬉しそうにこっちを見た。
「3年C組2番一ノ瀬唯、99点!」
そう言って答案用紙をぴらぴらさせる。
「うそ!!!」
慌てて答案用紙を覗き込むと、まさかの漢字のミスで一点減点…
「体育なんだから漢字くらい許して!」
「だめ〜」
「先生のけち!」
カラオケのことなんて忘れて必死で言い争った。
わたしの心臓はドキドキしていた。