【超短編】さよなら、片想い



うちの学校は毎年クラス替えがあるから、

もしかしたら一緒の教室で過ごせるのは、残り少しかもしれない。


私のことだから、

きっと彼とクラスが離れたら、もう話しかけることも難しいと思う。


恋って実は今まで結構苦手で、

同級生の子達を見ると、なんだか恋してることに恋してるような気がして、

正直恋してる子達のこと、馬鹿にしてた。


でも彼に出会って、彼のこと好きになって、わかったの。


この気持ちは純粋なもので、大切なものだって。


彼に会えるから、学校に行くのが楽しい。

彼とほかの女の子が話してると、嫉妬しちゃう。

彼と少しでも話せたら、その日は1日中幸せ。

私のこの想いについて、真剣に一緒に話を聞いてくれる友達も出来た。


私、すごく感謝してるの。

彼に、そして彼への気持ちに。



だから、この想いを伝える。



彼が気持ちを受け入れてくれたらいいと思う。


けどもし受け入れてもらえなくても、

それでも伝えたい。



7時20分、私の指定した時刻。


そろそろ彼が来る。

階段を上る足音がひとつ。


この時間、誰も使うことのない、校舎新館の2階、理科室前。


さよなら、私の片想い。ーー



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