たとえ僕が消えても。
物語のはじまり
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ソファに腰掛けながら、窓から見える夜空を眺める。
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星々はまるで宝石のようで、あの日のことを思い出す。
ーーキィィィ
扉が開く音がしたので振り向くと
目がパッチリと覚めている息子がいた。
「ねぇ、ままー。ぼくねれないからおはなしして?」
少々目をこすりながら歩いてくる息子を見て、笑みがこぼれる。
「ふふっ。じゃあママのお膝、枕にしてねんねしようか」
息子が横になったことを確認して。
「…じゃあ、お話、始めるわね?…昔々…」
私は口を開いた。