chocolate
「あーあ。現実つらーい!」
パタッと雑誌を閉じて奈緒は伸びをした。
「ヤマトみたいなイケメンがいればいいのに!」
綺麗な顔立ちとパーマがあてられた茶色い髪。
着崩された制服には白のカーディガン。
スタイルのいい奈緒にはニーハイソックスがよく似合う。
「そんなだから彼氏できないんだよ。」
やってきたのは柴山沙羅。
「うるさいわ。てゆか沙羅は遅い。」
「仕方ないでしょ。週番なんだから。」
椅子を持ってきて沙羅は同じ机に弁当を広げる。
「てか、それ『white』?」
先ほど奈緒が閉じた雑誌を指差して沙羅は言う。
「うん、2月号。バレンタイン特集で美味しいチョコレート屋さんあったから今度行こうよ!」
美華が誘うと、沙羅は笑って答えた。
「さすがチョコ好き。放課後にでも行こうね。バイト休みだといいな~!」
「でも沙羅が反応したのはこっちでしょ?」
奈緒は先ほどのSkyのページを開いて沙羅に渡す。
「そうなの。これ買おうか悩んでて。盛れてたら買おうかなと思ってたんだ。」
そう、沙羅もSkyのファンで、三人でいつもコンサートに行っている。