チョコレートじゃなくて
先輩とさとブー
私は、ハアハアと荒い息。
さとブーは、涼しい顔。
「大丈夫か?」
こういうとこ、ちょっとムカつく。
こんなの余裕だって感じで、スッと立ってて、ハアハア言ってる私を優しい目で見つめるとこなんか、最悪。
「俺、ここで待ってるから、行ってこいよ。」
「えー?無理だよ!」
「大丈夫だよ。忘れ物を届けにきたって言えば、怪しまれないし。」
「何それ?」
「いいから、早くいけ。」
さとブーは、私の背中を押した。
振り返ると、さっきまでの笑顔は消えていた。
らしくないほどの真剣な表情で、小さく頷く。